東京どこに住む? 速水健朗
上京してから初めて自分で決めた場所に引っ越す事になった時に借りたのがこの本です。
上京前も「東京に住むなら23区内で西の山側しかない」と思っていました。
理由は、東側や海側は地震が来ると水に浸かるから、と思っているからです。
よくサンズイが付く漢字の地名や、谷が付く地名は水に浸かると言いますが、それにプラスして、やはり埋立地が多いイメージがあります。
でも個人的には東の上野が大好きなんです。
そのことを東京人に話したら「上野の地形は大丈夫だよ」って言ってくれたんですが、上野って家賃高いですよね…。
学生が住む街だから安いと思っていたのは浅はかでした。
で、結局西側が良いけど実際どこがいいの?って思って借りたのですが…、読み終わったのは引っ越し後かなりたった後…。
他にも本を借りているので、予約が付いた本を優先に読んでいたら、こちらの本は返却日が来たら返して再貸出しての繰り返しになってしまいました。
でもこのコロナの影響を受けた今だからなかなか面白く読めました。
まず「今は西高東低だが近い将来は東も高くなるだろう」と書かれていたこと。
東京は東から西へ向かって繁栄しましたが、その東の住宅建造物の老朽化時代を迎え再開発が盛んになり、オリンピックも後押しして高級住宅地化する。
とのこと。
いや、まさしくホントよね!
ネットに表示される新築マンションの広告とかほとんど東側ですもん!
実際にも(過去の事なんてわからないし)東側に住みたい!と思う若者が増えているというのもあるそうです。
そしてもう一つ気になった内容が、
アルビン・トフラー著書「第三の波」(1980年)でこのように予言したとのことです。
”われわれの生存中に都市の大工場やオフィスが空っぽになる”
将来的に交通のコストが下がり、コンピューターを通じた電子的な通信手段の発達によって、人はオフィスへ通勤することをやめ、好きな場所に住むようになり、電子会議を行い、自宅で仕事をするようになる、結果わざわざ家賃の高くて混雑した都市に住むわけがない。
速水健朗さんは「トフラーは都市関係の予言は外した」とこの本で述べていますが、今、まさに、予言的中してますよね!
原因がパンデミックとは思いもしなかったでしょうが…。
ちょっと判断が早かったかもですね。
コロナ禍になって1年経ちましたがコロナに関する書籍も多く発行さています。
コロナが収束して生活様式が落ち着いた頃に今のコロナ関連の本を読んでみると、どの専門家の予測が当たったか、って比較できて面白いかもしれませんね。
☆☆☆
2016年5月発行
2021年3月完読
請求記号361.7